On the Homefront

東京大学文科3類ドイツ語クラス卒業生の共同ブログです。個々人が、それぞれに思うことを述べていきます。

好きな季節

放っておくと愚痴っぽくなるので意識的に好きなものの話を書くことにする。 突然季節が変わって、肌が寒さを感じ取った瞬間、反射的に心が高揚する。10月くらいの空気が一年で一番好きなんだよなあ。夏が遠ざかっていくのを感じられるのが好きだ。 まあやっ…

国分拓『ヤノマミ』を読んだ

今日も読んだ本の紹介。アマゾンの奥地にいる原住民族への取材体験記。もともとはその取材が元になってできたドキュメンタリーの方が先に世に出て、話題になったため、取材体験記が出版されたということらしい。哲学科出身の友人が手に取っていたのを見て、…

『窯変 源氏物語』と、平凡な大学院生から見た橋本治

橋本治『窯変 源氏物語』を読んでいる。 窯変 源氏物語〈1〉 (中公文庫) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1995/11/18 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (35件) を見る 『窯変 源氏物語』は橋本治による、『源…

市川春子『宝石の国』を読んだ感想 : 余白から生まれる透明な寂しさ

大学の友人たちとの読書会で、市川春子『宝石の国』を読んだ。今日はその感想を書いていこうと思う。 なお、今、1巻のKindle版は無料で読めるらしい。 宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 市川春子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/07/23 …

大急ぎロシア観光 その4:本屋と文房具

前:大急ぎロシア観光 その3:チャイコフスキーの家博物館 - On the Homefront モスクワ滞在最後の半日は、一人で街をぶらぶら歩くことにした。楽しみにしていたのはなんといってもДом книги(ドム・クニーギ)、「本の家」……要するにでっかい本屋だ。ロシ…

欲望するからAVを観るのではなく、欲望の対象を見つけたくてAVを観る。

昨日友人と話している時に「夕食の後は結構AVを観る」と言われ、「食事の直後って私あんまり性欲が高まって興奮するという感じじゃないんだよね。平常状態でAV観ると気持ち悪くなったりしない?」と聞くと、「でも、僕は基本的に平常状態で観始めるよ。AV。…

偽の歴史というジャンル:フィリップ・K・ディック『高い城の男』

大学一年生の時、シラバスでふと見つけた船曳ゼミに未だに参加しています。文化人類学者の船曳建夫先生のゼミです 最近、そのゼミの読書会で、フィリップ・K・ディックの『高い城の男』という作品を読んだので、感想を書いておきます。 高い城の男 (ハヤカワ…

生徒に影響力を及ぼしたい、という欲望

江藤である。 △ 今日は、顧問をしている部活動の練習試合があったので、1日学校にいた。たるいなと、思ったし、休日を謳歌したいなとも思ったのだが、引き受けた以上仕方がない。ちなみに、最近よく話題になっているように、部活動のための休日勤務に対する…

繊細さを失わず、生活を見つめる:津島佑子「水辺」

昨夜は眠れなかった。築30年を超える私のアパートの窓は、時折激しくガタガタと鳴って、その度にまどろみから覚まされた。そして、このような嵐の夜に、その風雨の影響を受けず曲がりなりにも睡眠をとることができるとはなんということだろう。住むべき家が…

コンプレックスをばねにする−−−でも、何のために?

超難関中高一貫校から東大に落ちた人の一部は東大コンプレックスを抱くようだ。そもそも日本一入試偏差値が高い大学なのだから、普通に人生を送っていれば入れなくて当然であるのだが、中高時代の成功体験に縛られ、苦悶の末に入らないことを選択した瞬間/度…

大急ぎロシア観光 その3:チャイコフスキーの家博物館

前:大急ぎロシア観光 その2:バレエ鑑賞 - On the Homefront ロシア2日目はモスクワをちょっと離れ、クリンにあるチャイコフスキーの家博物館を目指す。ホテルから目的地まで2時間くらい車に揺られていくのだが、例によってモスクワ市内は大渋滞、それを…

こち亀はどこで間違ったのか

こち亀の「くそ」化 別にアンチを助長するわけでは決してないのだが、数年前以下に紹介されているスレを見つけて、スレタイトルから驚かされたのを思い出す。 https://iwacchi.tumblr.com/post/9786387090/くそらスレの歴史-くそら糞飾区糞有糞園前糞出所こ…

私的吉祥寺の喫茶店レビュー

吉祥寺はとても混む街だ。文京区に引っ越してそれがよくわかった。 市部で育った私は、引っ越す前、東京23区のど真ん中である文京区などは常に人でごった返しているものだとばかり思っていた。吉祥寺はいつも人が多いが、都内はもっとひどいのだと思っていた…

喫茶店のレビューをする

大学院生時代は常に喫茶店を巡っていた。自分の机や自分の本棚といったものが大学内に与えられなかったからだ。 東京大学で?−−−そうなのである。少なくとも、駒場の人文系院生で自分の机というものを持っている者はほとんどいない気がする。本郷の方でも、…

「時は金なり」という病気

江藤である。少しサボりすぎてしまったが、通常運転に戻していく予定。 次から次へととにかくこなしていくことが中心の生活であると、余りの時間がなくなってしまう。もちろん、空き時間はあるのだが、「空き時間」とは埋まっていることが前提の、私の有する…

夏休みは8月31日に終わらない

藤子マンガが好きなのでついドラえもんの話題が多くなってしまうのは許してほしい。のび太が夏休みの宿題に追われている夜の日付が8月31日だと知ったとき、幼い頃の私は奇妙に思った。そんな時期にはとっくに夏休みは終わっているじゃないか。分かりやすいよ…

それでも男子は赤いランドセルを使えない

最近のランドセルは色に縛られなくなってよいことだなあなどと思っていた私がバカだった。 例えば有名メーカーのウェブサイトを見てみると、ランドセルのページはまず「女の子向け」「男の子向け」の二択から始まる。「女の子向け」は赤だったり水色だったり…

大急ぎロシア観光 その2:バレエ鑑賞

前:大急ぎロシア観光 モスクワその1 - On the Homefront 当たり前だが、モスクワ市内はどこを見渡してもキリル文字だらけだ。一応ロシア語は初級の教科書を丸一冊習ったので文字は読めるし、出発前に語彙も叩き込んできたつもりだった。とはいえ、そんな付…

一人暮らしで迎えた変化

最近一人暮らしを始めた。当然に孤独を感じる機会が増えた。 何も家族と住まなくなったことだけが、その理由ではない。いくつかの偶然が重なり、人を避けようと思えばいくらでも避けることができるようになったのだ。 例えば、朝の電車は下り方面に乗ること…

『地獄先生ぬ〜べ〜』における巨乳

( 江藤である。)) 昨日、以前家庭教師をしていた子と艦コレに関してラインしていて、酔っ払っていたのも手伝い「やっぱ胸っておっきいほうがいい?」と聞いたら「胸で決めるようになったら男は終わりじゃないですか?」とか切り返され、色々ひどかったんだけ…

2017ねん8がつ4にちのにっき

中江です! 今日はかつて私が中高生だったころ隆盛を誇った前略プロフィールで多くの人間がリンクに紐づけていた"りある"なる日記(?)サービスで行われていたように(!??)日々を綴ろうとおもう(笑) さていきなりですが、3日前に病院に運ばれました。…

日本の伝統的な世界観と名高いハレとケの精神

古来より、日本人は日々暮らしている日常と、冠婚葬祭や年中行事といった非日常を分けて生活してきていて、そして、それを「ハレ」と「ケ」というふうにいいます、的な文章はけっこうよく見る。 実際「ハレとケ」という言葉は、誰かと喋ったりしても、不自然…

大急ぎロシア観光 モスクワその1

この3月、初めてロシアに行った。 突然思い立って1カ月くらいで準備して、わけもわからないうちに行って帰ってくるという慌ただしい一人旅だった。パスポートすら持っていなかった私がこうも急に海外旅行に行こうと思ったのも、一番の動機はロシア音楽にハ…

僕がUTクラスタだった頃

江藤です。最近ちょっとシリアスな記事ばかり書いていたので、今日は僕が最高のツイッターだった時の話と、その少し後までの話をします。 ツイッターって知ってる? 僕がツイッターを始めたのは、大学一年生の6月ごろです。駒場の食堂で、浪人した僕よりも一…

同じことを誰が言うかによって意味が変わる

中江です。 二週も休んでしまいすみませんでした。これからは更新、がんばりたいです。 今日は、前回の続きではなく、最近考えていたことについて書きたいと思います。まあ最近考えていたといっても、実際大学に入ったあたりからぼんやりと思っていたことの…

「第三外国語」の楽しみ方

ブログの説明にもある通り私は第二外国語にドイツ語を選んだわけなのだが、大学にいる間には最終的に15くらいの言語をやった。それなりの興味を持って積極的に学んだ言語もあれば、文字の読み方すらろくに覚えず終わったものもあるが、少なくともそのくらい…

飲酒事故で亡くなった東大生、高原君のこと

前回のブログで2012年に起きた東大生の飲酒事故に言及した。 queerweather.hatenablog.com 事故に関しては下の記事に簡単にまとめられている。 www.bengo4.com 改めて記事を読むと当時の記憶が蘇って来る。 僕は高原君の友人だった。その死亡の報を聞いた時…

「ただ、生きていって欲しい。死なないで欲しい。」

大学の学部生だった時に、数人の家庭教師をやっていた。その中に、今でも継続的に付き合っている生徒がいる。もう僕は「教師」ではなくなり、彼は「生徒」ではないのだから、僕にとっては年若い友人だ。 昨日彼と喫茶店で喋っていた時に、印象的だった下りが…

地方コンプレックスが強すぎてつらい その2

こちらの続き。 queerweather.hatenablog.com ここで私はあえて「田舎」という言葉を使ったけれども、これは具体的に人口が何人以下とか、この施設がないとかあれがないとか、その内容を詳細に定義してもこの際意味のないものだと思っている。田舎とはそこに…

物語る力/創作の力とは何か

最近、twitterで自分と同じように、中高の教員をしている人をフォローするようになった。そうしてフォローした中の一人がつぶやいた以下のようなつぶやきが、昨日私のタイムラインに投稿された。二つの企業に内定した卒業生に対して、教員をしているツイッタ…