On the Homefront

東京大学文科3類ドイツ語クラス卒業生の共同ブログです。個々人が、それぞれに思うことを述べていきます。

kentz1さんの退職のこと、その他

 江藤です。昨日友人と長々と電話しました。タイトルにあるとおり、kentz1さんの退職のことなどについて。kentz1さんの退職エントリに関しては以下です。

note.mu

 

 私も友人もkentz1さんと同じ年に同じ大学に入り、しばしばkentz1さんのツイッター上の動向に注目してきたのでした。常人並に就職したことにも驚いたけど、今回のように「本当のこと」を求めて退職されることになった運びにも驚きました。私はそのことを一つの発端として、しかし事実に寄り添う形でなしに、適当に虚実織り交ぜながら別のブログで以下のとおり書きました。事実に寄り添う形でないように書いたのは、私自身がkentz1さんの構想につき把握しきれていないから。それについて書くことは、私自身の想像力と不可分なものであると考えたからです。

summery.hatenablog.com

 

 「本当のこと」については上の記事に譲るとして、ここ一週間ほどで都合三人ほどの大学時代の友人たちと、彼の退職について、どちらから切り出すともなく、電話を介して話をしたのでした。良くも悪くも、このことは、私たちの間の共通経験として長く記憶されることになるだろうと思います。

 それにしても、退職、そしてその後の進み行き、本来は極私的な事情であるはずのそれらが、このように衆人環視の元に置かれることにより抱えてしまう困難の大きさを思わずにはいられません。本人が選んだ道といってしまえばそれまででしょうが、twitterという自己開示の装置の魔力は大変なものだ、という話を友人としました。また他方で、「ヒモ」となるのも、それほど楽ではないだろうに、ということも、これは主に私から友人らにポツポツと伝えたのでした。自分が「本当のこと」を求める若者にお金を出すとしたら、やはり大きな期待をしてしまうだろうから。もちろん、企業社会で働くのも十分大変ではあるので、どちらを選ぶかという話に過ぎないのですが・・・。

 

 

 今これをマックで書いているのですが、先ほどから繰り返し、半透明のついたてで見えなくなっている向こう側の方から、「結局北朝鮮のおかまなんだよ、壁に耳あり障子に目ありって。全部つながっている。2002年という時期もやろ」とまくしたてる声が聞こえてきます。声変わり後も比較的高い声に落ち着いた中学生とでもいった趣の、自信を持ったその説得の声は傍にいる気の弱そうな女性にでも向けられているものかと、ふとトイレに行くふりをして確認すると、ひたすらに独り言を言っている人でした。それも見た感じは50を超えるくらいの年で、嘘寒くなりました。

 時折マックではなまなかでないものとエンカウントします。最近他に見たのは、一人ポツンと日曜の夜に何時間も粘って、机の下のビニール袋に隠したワンカップをちびちびと飲み、かつは居眠りをする老人。確かにマクドナルドはお酒はでないけれど。

 平成最後のクリスマス・イブに、相も変わらずマックの席で、北朝鮮のおかまについて説得する声を聞いている。少し興味があるし、彼も聞いてもらいたいのだろうから、話を聞けば色々語ってくれると思いますが、まあ、控えめに見て数時間かかりそうなので、遠慮。

 確かに私の生活も「本当のこと」からは程遠い、と思う。